1. ブレーキブースターとは?

Car brake booster

ブレーキブースターは、ブレーキペダルを踏んだときに必要な力を軽減し、スムーズなブレーキ操作を可能にする装置です。主に 負圧式(バキューム式)油圧式 の2種類が存在し、多くの乗用車には負圧式が採用されています。

2. ブレーキブースターの仕組み

ブレーキブースターは、エンジンの負圧(真空圧)または油圧を利用して、ブレーキマスターシリンダーにかかる力を増幅させます。

負圧式ブレーキブースター

  1. エンジンの負圧 を利用し、ダイヤフラム(膜)を動かす。
  2. ペダルの踏力を補助 し、ブレーキの効きを良くする。
  3. ブレーキマスターシリンダー に加わる圧力が増大し、少ない力で強い制動力を得る。

油圧式ブレーキブースター

  • 主に電動パワーステアリングを搭載した車両やEV(電気自動車)で採用。
  • 油圧ポンプ を利用し、ペダルの踏力をアシスト。
  • 一定のブレーキフィーリングを確保。

3. 最新技術とEVブレーキシステム

近年、EV(電気自動車)やハイブリッド車では、電動ブレーキブースター(E-Booster) が採用されています。これは、エンジンの負圧を利用しないため、以下のようなメリットがあります。

電動ブレーキブースター(E-Booster)の特徴

  • エンジン負圧不要 → EVやハイブリッド車でも安定した制動力を確保。
  • 回生ブレーキとの連携 → エネルギー回収と制動力の最適化。
  • 高速レスポンス → ブレーキの制御を電子的に行い、反応速度が向上。
  • ADAS(先進運転支援システム)との連携 → 緊急ブレーキアシストなどの安全機能を強化。

テスラ、トヨタ、ホンダなどの最新EVでは、回生ブレーキと組み合わせたE-Booster技術が標準搭載されており、これによりエネルギー効率の向上と高い安全性を実現しています。

ブレーキブースターが故障すると、制動力の低下やブレーキペダルの異常が発生します。以下の症状が現れたら、点検が必要です。

4. ブレーキブースターの故障サイン

代表的な症状

  • ブレーキペダルが硬い → 負圧が正常に機能していない可能性あり。
  • ブレーキの効きが悪い → ブースターの異常、またはエア漏れ。
  • 異音がする(シューッという音) → 負圧ホースやダイヤフラムの破損。
  • アイドリング時にエンジンが不安定 → 負圧漏れが原因で、エンジンの調子が悪化。

5. ブレーキブースターの点検・交換方法

点検方法

  1. エンジンを停止 し、ブレーキペダルを数回踏む。
  2. ペダルの高さが変わらなくなるまで踏み続ける。
  3. エンジンを始動 し、ペダルが少し沈み込むか確認。
  • 沈み込めば正常。
  • 変化がなければ、ブレーキブースターの故障の可能性あり。

交換が必要な場合

  • 負圧ホースに亀裂がある。
  • ダイヤフラムが破損している。
  • ブレーキブースターが完全に作動しない。

6. ブレーキブースターのメンテナンス

日常点検ポイント

  • ブレーキフィーリングの変化 に注意。
  • 異音やエンジンの不調 を感じたら点検。
  • 負圧ホースの状態 を定期的に確認。

まとめ

ブレーキブースターは、安全なブレーキ操作に欠かせない重要な部品です。EVやハイブリッド車では、最新の電動ブレーキブースター(E-Booster)が搭載され、制動性能とエネルギー効率が向上しています。定期的な点検と早めのメンテナンスを心がけましょう。

カテゴリー: Brakes(ブレーキ)

bimalcresta@gmail.com

ようこそ!シュレスタと申します。現在、日本の大阪を拠点に活動する自動車整備士であり、車の技術に情熱を注いでいます。私のブログ「Kurumainsight」では、最新のカー技術とメンテナンスの情報をわかりやすく提供し、皆さまが愛車をより深く理解できるようお手伝いしています。

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